2012年10月13日土曜日

IMF・世銀の正体を語る

 10月12日(金)、「レイバーネットTV」に出演しました。タイトルは「IMF・世銀の正体」という刺激的なもの。アフリカ日本協議会の稲場雅紀さんと、キャスターの松元ちえさん、土屋トカチさんと一緒に話しました。みなよく知った運動仲間なので呼吸もよくわかりやりやすかった。レイバーネットTVは独立系の運動メディアとして月に2度、独自の番組をUST放送しており今回でなんと41回目を迎えるのだという。私も何度も登場させてもらったが、皆さん手弁当でよくここまで継続されていると敬服する。スタジオは毎回笑いと熱気に包まれ、とってもあったかい空間なのである。しかももちろん扱うテーマは、マスメディアが取り上げない話題に鋭く切り込む。


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 さてIMF・世銀である。私はPARCに入ってからまずこれらの国際金融機関やWTOなど、「途上国に対して徹底的な悪事を働く」組織についてかなり学ばされた。1997年のアジア通貨危機により、タイやインドネシア、韓国はIFMの「処方箋」に従い大きな痛手を負った。国内では緊縮財政政策としての規制緩和や増税、雇用の流動化、貿易の自由化などがパッケージとなって実施され(いわゆる構造調整プログラム)たため、国内には失業や貧困が増大しもっとも貧しい層は生きていくのも困難な状態に陥った。そして当たりまえだが、このことは現在の各国の経済・社会状況にも色濃く影を落としている。
 あれから15年近くがたっているいま、今回東京で開催されるIMF・世銀総会については、マスメディアでは批判的な分析も少なく、「無事終了」となるようだ。しかしIMF・世銀が過去に行ってきた数々の悪行の歴史は今も形を変えて続いている。番組中、稲場さんの「IMF・世銀による正義の独占」という言葉は非常に重要だ。つまり貧困削減や持続可能な開発など、社会正義という原理のもとでNGOや市民社会が担ってきたこれら課題を、いまは世銀の側が大きく掲げている。しかし根本的に異なるのは、彼らの解決手段は「構造を変えることなくお金を投じること」であり、その対象(たとえばどのエイズ患者に対して手を差し伸べるのか)は彼らが好きに決められるということだ。
 NGOや一人びとりの市民・民衆は、こうした動きに取り込まれてはならない。今問われているのは民主主義そのものであり、彼らの側に「正義」を規定する権限はない。


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